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古い住宅の空間資源としての可能性

1.伝統構法の住宅の改修と住宅の新築を適切に評価して比較する

これまで古い住宅の価値は、適切に評価されてきたとは言えませんでしたが、最近見直されつつあります。

新築の住宅と比較して古い住宅には、長い間存在してきた実績がありますが、経年劣化と性能不足いう短所もあります。

しかし、それらを的確に補い本来の魅力を取り戻していけば、新築にも負けない価値をもつ空間資源の可能性があります。

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伝統構法の住宅の改修

(重要文化財では無い住宅も含む)

特徴

・柱や梁の木材の品質が高いものが多い

・古い建具など品質が高いものが多い

・大工などの技術が高い

・現在、再現できないものが多数ある

・既存を利用してコストを抑えることが

 出来る

住宅の新築

特徴

・耐震性能、バリアフリー性能、

 温熱性能など、一般的な指標の

 性能が高い

・生活スタイルに合った自由な計画

 ができる

一般的な指標

・耐震性能

・耐久性能

・バリアフリー性能

・温熱性能

・防音、遮音性能

・防犯性能

・室内空気環境

その他の指標

・木材の品質

・建具などの品質

・大工などの技術

・生活スタイル

適切に評価して比較

2.古い住宅の耐震診断

木造住宅には、日本で古くから発達してきた土壁や貫を主要な耐震要素とする伝統構法(伝統工法)と、それを簡略化・発展させた筋かいや金物を使った在来構法があります。

伝統構法の住宅の場合、在来構法を想定した一般的な耐震診断を受けると性能を低く判定されることが多いです。

それは一般的な耐震診断の評価する指標が、伝統構法の構造特性に適していないためにおこります。

構法に適した耐震診断方法で判定し、古い住宅の価値を適切に評価することが重要です。

3.改修を実現するポイント

改修を実現するポイントは、新築と比較してコスト的な有利性が必要です。解体、改修範囲をなるべく限定するために、工事の優先順位を明確にしていくことが大切です。

改修で優先される順位は、右の表のようになります。

建物の状態、予算を考慮して十分な改修が実現できるか判断します。不測の費用が発生した場合に優先順位の低いものから調整の対象にしていきます。

改修で優先される順位

1.構造補強工事

2.漏水がある場合の補強工事

3.設備工事

4.断熱工事

5.内装工事

6.外壁工事

7.外構工事

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